REIT(Real Estate Investment Trust)とは、不動産に投資するための金融商品です。
いわゆる【不動産投資信託】というくくりになります。投資家から集めた資金を
もとに、複数の不動産(商業施設、オフィスビル、住宅、ホテル、物流施設など)に
投資し、その運用から得られる賃貸収入や売却益を投資家に分配します。REITは株式
のように証券取引所に上場されているため、個人投資家でも手軽に不動産投資に参加
することができます。特に日本でのREITは【J-REIT】(Japanの頭文字J+REIT)と
呼ばれており、2001年に始まり、現在では多くの銘柄が存在しています。
以下の図のように、J-REITを中心にして市場や投資家などと関わっています。
REITにはいくつかメリットがありますので、簡単にまとめます。
・分散投資が可能
REITは複数の不動産物件・地域に分散投資するため、特定の物件に投資する場合に
比べてリスクを分散することができます。
・安定した収入が手に入る
不動産から得られる賃料収入や売却益をもとに、安定した配当が見込まれます。
J-REITは、税法上の規定で利益の90%以上を配当として分配することが義務付け
られています。
・流動性が高い
REITは証券取引所に上場されており、株式市場で売買できるため、個人が不動産を
直接売買するよりも流動性が高く、簡単に売買できます。(素早く現金化しやすい
です)
・少額投資が可能
実物の不動産を購入する場合と比べて、比較的少額から投資が可能です。これに
より、個人投資家でも不動産に投資しやすくなっています。
・透明性が高い
REITは上場されているため、財務状況や運用内容が定期的に公開され、透明性が
高いとされています。また、監査や金融庁の規制を受けるため、信頼性も高いと
されています。
・物件の管理不要
物件の運営や管理はプロの運用会社が行うため、個人投資家が物件の維持管理を
行う必要がなく、手間がかかりません。
REITにはいくつかデメリットがありますので、簡単にまとめます。
・元本割れ
REITは銀行の定期預金とは違う【金融商品】のため、投資した結果元本が
購入時の金額を下回ってしまう可能性があります。
・価格変動
REITは株式のように市場で取引されるため、経済状況や金利動向、投資家心理など
によって価格が変動します。不動産の価値や収益が安定していても、株価が上下す
ることがあります。
・金利上昇
REITは通常、不動産の購入や開発に借入を利用するため、金利が上昇するとREITの
借入コストが増え、収益が減少する可能性があります。
特に高金利時代には、利回りが他の金融商品と比べて相対的に低くなるため、投資
家の関心が低下することがあります。
・不動産市場の変動
投資対象となる不動産市場において、経済情勢(景気)や需要が低下すると、物件
の賃料収入や稼働率が下がり、REITの収益に悪影響を及ぼすことがあります。
・分配金の減少
REITは運営する不動産からの収益を元に配当を行うため、収益が減少した場合、
分配金も減少するリスクがあります。例えば、空室が増えたり賃料が下がったり
すると、配当も減る可能性があります。
・運営会社
REITを運営する会社の経営状況や管理能力が低い場合、物件の管理が不十分に
なり、収益に悪影響を与える可能性があります。また、突然法人が倒産することも
可能性としてあり得るため、特に運営会社の選定は重要です。
・市場の流動性
REITは市場で売買できるものの、投資家が集中して売却を行うような状況では、
価格が大幅に下落する可能性があります。特に景気が悪化した場合には流動性が
低下し、思うように売却できないこともあります。
・REITの分配金には【配当控除】が適用されない
REITの分配金は税制上のメリットが受けられません。株式の場合、配当に対しては
配当控除が適用され、確定申告することで税額を軽減できることがあります。
しかし、REITの分配金にはこの制度が適用されません。
・自然災害等の影響
近年では毎年日本全国のどこかにおいて、少なからず台風や大雨、地震、洪水など
自然災害が起きています。(2024年は石川県能登半島地震で甚大な被害
が発生しております)あなたが現在投資している不動産にも常にその可能性
はあります。